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光延反応 / Mitsunobu Reaction

 光延反応は一般にアゾジカルボン酸エステルとトリフェニルホスフィンを用い,アルコールと酸を脱水縮合させる反応です1)。この反応はアルコール成分がWalden反転した生成物を与えることや,酸成分としてカルボン酸,活性メチレン,イミド等が利用できること,温和な条件下で反応が進行することなどから有機合成上,非常に有用な反応の一つとされています。また,その優れた反応性から多方面で研究され,さまざまな改良法が報告されています2)。例えば,アゾジカルボン酸エステルの代わりにアゾジカルボキサミド類を用いることにより,pKaの高い弱酸の光延反応への適用が図られています3)。また,トリフェニルホスフィンの代わりとして,分子内に塩基部分を持つホスフィン4) や,ジフェニルホスフィノポリスチレン樹脂5) を利用することにより,反応副生物であるホスフィンオキシドを容易に除去する方法や,PhI(OAc)2を再酸化剤に用いることにより6),アゾカルボン酸エステルを触媒量に抑え,副生するヒドラジンを最小限に抑える方法が報告されています。
 PPh3-DEAD系による光延条件では第三級アルコールのように立体障害の大きな基質では反応の進行が妨げられます。向山および黒田らはフェノキシジフェニルホスフィン(1)を用いた改良法を報告しており,以下のスキームのように第三級アルコールと2-ニトロ安息香酸から立体反転したエステルが得られています7)
 また,角田らはシアノメチレントリブチルホスホラン(2)を用いる方法を報告しています8)。それによれば,ホスホランは単独でアゾジカルボン酸エステルとトリフェニルホスフィンの役割を成し,pKa 23.4の活性メチレンと二級アルコールとの反応においても高収率で生成物を与えます。したがって,シアノメチレントリブチルホスホランは,光延反応の有用性をさらに高める反応試剤と言えます。
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アゾジカルボン酸の誘導体は,熱,衝撃,摩擦などにより多量に発熱,または爆発的に分解する危険性を有しています。開封,使用から廃棄に至るまで,安全衝立て,保護具の着用などの十分な安全対策の実施と細心の注意のもとにご利用ください。

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