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ナノダイヤモンド(NDs) / Nanodiamonds (NDs)

 ダイヤモンドは硬度,摩擦係数,熱伝導性,絶縁性,屈折率などにおいて優れた性質を有する炭素の同素体の一つです。サイズが大きく純度の高いダイヤモンドは宝飾品として重宝されています。また,ダイヤモンドの硬さは広く知られており,天然では最も硬い物質であることから,工業的には研磨や切削などの用途に利用されています。しかしながら,その硬さゆえに加工性には乏しく,大きいサイズのダイヤモンドは工業的には用途が限られているのが現状です。ナノダイヤモンド(ND)はダイヤモンドの結晶構造を有するナノ粒子であり,ダイヤモンドの優れた性質を維持しています。NDは人工ダイヤモンドの一種であり,研磨剤やエンジンオイルの添加剤などに利用されています。
 一方,NDは表面をカルボン酸やアミノ基で修飾することが可能であり,これらの置換基をさらに化学的に変換することで,ND粒子を官能基化することができます1-3)。修飾していないNDは水への親和性が高いため,水中では良く分散しますが,有機溶媒中では凝集しやすいことが知られています。一方,アルキル基などで官能基化したNDは有機溶媒中でも分散しやすくなります。NDをシランカップリング剤で官能基化すると,ガラス表面などをNDで修飾できるようにもなります4)
 また,ナノダイヤモンドは生体に対して無害なナノ粒子であることから,生物や医療の分野にもその応用が広がりつつあります5,6)。結晶中に窒素原子(N)と空孔(V)からなる複合欠陥(NV)を持つダイヤモンドは蛍光を示すことより7),これを生体分子に対する蛍光標識剤とすることで,生体分子の動きや構造変化を顕微鏡で観察することができます8-10)。また,ナノダイヤモンドは化学的に極めて安定であることから,生体内の複雑な環境においても安定的に蛍光挙動を観察できることが分かっています。一方,NV欠陥を作らなくても,NDを官能基化するだけで蛍光を示す例も報告されています11)。また,NDの生体分子への親和性を高める目的で,タンパク質やビオチンを固定したNDも報告されています12,13)。このような修飾NDは,ドラッグデリバリーに応用できるものと期待されています。

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