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糖鎖とTCIの糖鎖事業

糖鎖とは

糖鎖とは,単糖(1個の糖で糖の最小単位)がグリコシド結合という結合様式で鎖状につながった分子です。
例えば,栄養素として知られているデンプンは,グルコースという単糖が多数つながっている糖鎖の一種です。保湿成分として知られているヒアルロン酸は,グルクロン酸とN-アセチルグルコサミンという2種類の単糖が繰り返して多数つながっている糖鎖です。
また,ABO式やルイス式の血液型は,赤血球表面にある糖鎖における単糖のつながり方(種類・位置)の違いにより分類されています。

糖鎖は,構成する糖の種類・ 組み合わせ・順番・長さ,さらには結合位置や鎖の枝分かれなどの違いにより著しく多様性に富み,その役割や働きも様々です。

第3の生命鎖

糖鎖は,生命現象に重要な役割を担っており,核酸(第1の生命鎖),タンパク質(第2の生命鎖)に続く「第3の生命鎖」として注目されています。ヒトゲノムがすべて解読された今,さらなる多様な生命現象の解明に向け,糖鎖研究はポストゲノム時代におけるライフサイエンスの中心領域の1つとしてその地位を確立しています。

多くの糖鎖は生体内において,糖脂質・糖タンパク質・プロテオグリカンなどの糖鎖複合体として存在しています。人体の細胞社会を構成している約60兆個の細胞の表面は,これらの糖鎖複合体によって覆われています。また,細胞や組織を支持する細胞外マトリックスや基底膜にも糖鎖および糖鎖複合体が含まれています。様々な生理活性物質がこれらの糖鎖と相互作用し,細胞や組織を調節することが知られています。
このように糖鎖は,細胞活動の調節,細胞間の認識や相互作用に関わることで細胞社会の環境を維持する役割を担っています。つまり,糖鎖の変化は細胞社会の環境の変化を意味しています。

糖鎖が関わる生命現象としては,発生,分化,癌,感染症,免疫異常,老化などが報告されています。例えば,ある種の癌化した細胞では糖鎖構造が変化していることが知られており,この癌細胞の糖鎖変化は癌マーカーとして診断に利用されています。また,コレラ菌・インフルエンザウイルスなどは,特定の糖鎖構造を認識し結合することにより感染・増殖することが知られています。インフルエンザでは,糖を模倣した物質によりウイルスの増殖を抑制する治療薬が開発されています。その他にも,糖鎖および糖鎖関連物質の医療への応用が盛んに行われています。

現在,生体内での糖鎖を介した生命現象の分子機序が続々と明らかにされ,糖鎖および糖鎖関連物質の創薬や再生医療への応用が期待されています。ライフサイエンス分野における糖鎖への注目度はますます高くなってきており,糖鎖研究は欠かせないものとなっています。


TCIの糖鎖事業

Labo

糖鎖の注目度が高くなっている一方,その供給については,構造の多様性や生体内において微量成分であることが災いし,充分なサンプル量を確保することが非常に困難な状況でした。そのため,糖鎖研究の発展は他分野に比べとても緩やかになっていたといえます。

弊社では,糖鎖を化学的手法で合成することによってこれらの問題が解決できると考え,汎用性の高い糖鎖合成ブロックの開発に取り組み始め,力を注いできました。その結果,様々なシーンに対応可能な数多くの糖鎖合成ブロックの実用化に成功,商業レベルでの量産化も着実に実現させてきました。単糖・オリゴ糖ブロックのご提供に加え,化学合成を中心とした機能性糖鎖の大量生産を可能にし,その供給体制を確立しました。

さらに,化学合成に留まることなく,発酵,生化学,免疫学,細胞生物学,分子生物学などのバイオテクノロジーにも積極的に取り組んでいます。その成果として,糖鎖研究の新しいツール「糖鎖を丸ごと転移させる酵素」や「フコースを認識するレクチン」,「糖鎖に対する抗体」などの製品が続々と製品化されています。

今後の取り組み

今後は,有機合成とバイオテクノロジーとの融合により,糖鎖研究をサポートする基礎試薬のラインナップの充実に加えて,さらに付加価値の高いユニークな糖鎖関連製品やアプリケーションの拡充にも挑戦していきたいと考えています。

ご希望の糖鎖化合物につきましては,経験豊かなスタッフによる受託合成も承っておりますので,お気軽にお問い合わせください。


弊社の糖鎖関連製品は
糖鎖合成研究や糖鎖機能研究,医療や医薬への応用など
様々なシーンのニーズにお応えします


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