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植物の受精効率を高める糖鎖 AMOR
植物では、雌しべに受粉した花粉から伸びる花粉管が花粉管誘引物質に応答し、卵を含む組織まで到達することが解明されています。しかしながら、受粉から受精までの間において誘引物質に応答する能力を獲得する機構は明らかになっていませんでした。一方で、これまでの知見から、雌しべには花粉管を受精可能な状態に活性化する物質が存在することは示唆されてきました。いわば、植物のオスに対する媚薬のような物質です。
名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所(ITbM)の東山、水上らは、トレニアという植物を用いた研究から、「AMOR(アモール)」と名付けられた糖鎖がその機能を有することを発見しました1)。
AMOR(Activation Molecule for Response-capability)は、植物の細胞壁に特有のアラビノガラクタンと呼ばれる糖鎖です。特異的な末端構造である、メチルグルクロン酸とガラクトースがβ結合した2糖構造(GlcA[4Me]β(1-6)Gal)が、植物細胞間の情報伝達活性を担うことが判明しました。このAMORの2糖構造は、種々の植物の様々な組織にも存在します。
弊社では、有機化学的手法による糖鎖合成技術を活用し、AMORを安定的に生産する技術を開発しました。 植物の糖鎖研究や生殖研究にご利用ください。
参考文献
- 1) The AMOR Arabinogalactan Sugar Chain Induces Pollen-Tube Competency to Respond to Ovular Guidance