2001年にK. B. Sharplessによって提唱された“クリックケミストリー”を代表する反応として、アジドと末端アルキンのHuisgen環化による1,2,3-トリアゾールの形成があります。高収率に反応が進行するこの環化反応は、生体分子のイメージングや追跡をするためのラベリングにも利用されています。しかしながら、触媒として高濃度の銅(I)種を必要とすることから、生体系内でのラベリングには適していません1)。
BCN-アミン(1)は、シクロオクチンを有する歪んだ構造をしたリンカーであり、この歪みにより銅フリーでアジド基とクリック反応が進行します。例えば、1の末端アミンに蛍光分子を結合させた2を用いて、アジドホモアラニンを導入したウイルスのカプシド蛋白質を銅(I)種の添加なしに蛍光ラベリングしています2)。さらに1はアジドとの反応であるStrain-promoted alkyne-azide cycloaddition(SPAAC)3)だけでなく、ニトロンとの反応であるStrain-promoted alkyne-nitrone cycloaddition(SPANC)4)にも適用できます。
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