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N-ヘテロ環式カルベン(NHC)を簡便に調製可能な前駆体

 NHC-二酸化炭素付加体およびNHC炭酸水素塩は,加熱により簡便にNHCを調製できる前駆体です。従来のイミダゾリウムハライド前駆体では,塩基で処理をして,副生する塩を取り除くか,塩が共存したままで次の反応に用いなければなりませんでした 。一方,NHC-二酸化炭素付加体およびNHC炭酸水素塩は,二酸化炭素と水が脱離するのみであり,加熱後そのまま,あるいは脱水条件に付すことで次の反応に用いることが可能です。

特長

• 加熱によりNHC配位子および触媒を調製可能

• 調製の際に塩を副生しない

• 中性条件下でも適用可能

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NHC-二酸化炭素付加体 : 遷移金属 / NHC配位子の錯体触媒の調製1)

NHC-二酸化炭素付加体 : 遷移金属 / NHC配位子の錯体触媒の調製

実験手順例
[Rh(cod)Cl]2 (54 mg)とNHC-二酸化炭素付加体 (2 eq.)をアセトニトリル (3 mL)に添加し,封管中室温で5分間撹拌する。その後,アルゴン雰囲気下,75℃で20分間撹拌し,反応混合液を真空下で乾燥する。ジエチルエーテルで3回洗浄し,目的のRh-NHC錯体を黄色結晶として93%の収率で得る。

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NHC炭酸水素塩 : 遷移金属 / NHC配位子の錯体触媒の調製2)

NHC炭酸水素塩 : 遷移金属 / NHC配位子の錯体触媒の調製

実験手順例
(CH3)2SAuCl (11.4 mg)とNHC炭酸水素塩 (1.2 eq.)をTHF (0.7 mL)に添加し,封管中空気下,50℃で1時間撹拌する。その後,カラムクロマトグラフィを用いて精製し,濃縮乾燥すると, 目的のAu-NHC錯体を白色結晶として95%の収率で得る。

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NHC-二酸化炭素付加体 : NHCを有機触媒に用いた共役シアノ化反応3)

NHC-二酸化炭素付加体 : NHCを有機触媒に用いた共役シアノ化反応

実験手順例
パラキノンメチド類 (0.062 mmol),トリメチルシアニド (1.3 eq.),NHC-二酸化炭素付加体 (10 mol%)の混合物に1,4-ジオキサン (0.5 mL)を添加し,アルゴン雰囲気下,室温で攪拌する。反応終了後,5 mLのチオ硫酸ナトリウム水溶液を加えて反応を停止し,5 mLのジエチルエーテルで3回抽出する。得られる有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し,濃縮する。その後,カラムクロマトグラフィを用いて精製し,濃縮乾燥すると,目的化合物を得る。

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NHC炭酸水素塩 : NHCを有機触媒に用いたベンゾイン縮合2)

 

NHC炭酸水素塩 : NHCを有機触媒に用いたベンゾイン縮合

実験手順例
NHC炭酸水素塩 (10 mol%)とモレキュラーシーブス3Aをシュレンク管に入れ,アルゴン置換する。乾燥したTHF (2 mL)とベンズアルデヒド (0.2 mL, 2 mmol)を加え,60℃で24 時間加熱撹拌する。1H NMRにより83%の転化率でベンゾインの生成が確認できる。

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