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強力な求電子的トリフルオロメチル化剤 梅本試薬II

 トリフルオロメチル基は,高い電気陰性度,高い代謝安定性,高い疎水性を有する置換基であり,そのため,トリフルオロメチル基を導入する反応は,医薬,農薬,機能性材料の開発において重要な反応のひとつです。梅本らにより開発されたS-(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウム塩[D5335]は,求電子的なトリフルオロメチル化剤として機能します。例えば塩基性条件下,β-ケトエステルのα位のトリフルオロメチル化,インドール類の2位への直接トリフルオロメチル化,可視光レドックス触媒を利用したスチレン類へのヒドロキシトリフルオロメチル化反応など,幅広い基質のトリフルオロメチル化に適用できます。

特長

・扱いやすい白色固体
・高い反応性
・β-ケトエステル,インドール誘導体,ホスフィンなどの幅広い求核種に適用可能

利用例

 

β-ケトエステルのα位のトリフルオロメチル化
 1-オキソ-2-インダンカルボン酸メチル(1 mmol),炭酸カリウム(3 mmol)とテトラブチルアンモニウムヨージド(0.05 mmol)のDMF(10 mL)溶液にD5335(1.5 mmol)を室温で加えて,室温で4時間攪拌する。反応溶液を水(30 mL)で希釈し,酢酸エチル (30 mL)で3回抽出する。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥し,減圧濃縮する。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると1-オキソ-2-(トリフルオロメチル)-2-インダンカルボン酸メチルが得られる (234 mg,収率91%)。

インドール類の2位への直接トリフルオロメチル化
 窒素雰囲気下,3-メチルインドール(0.5 mmol)とN-メチルモルホリン(0.75 mmol)のDMF(2 mL)溶液にD5335(0.6 mmol)を加えて,室温で6時間攪拌する。反応溶液を水(30 mL)で希釈し,酢酸エチル(30 mL)で3回抽出する。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥し,減圧濃縮する。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると3-メチル-2-(トリフルオロメチル)インドールが得られる(82 mg,収率69%)。

参考文献

  • T. Umemoto, B. Zhang, T. Zhu, X. Zhou, Y. Li, PCT Int. Appl. WO 2016107578, 2016.