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ソフトな求核種として有効なチオエステルアシルアニオン等価体
トリス(フェニルチオ)メタン (1)はオルトぎ酸エステル誘導体の一つで,チオエステルアシルアニオン等価体として用いることができます。1にブチルリチウムを作用させて得られるアニオン種はソフトな求核性を示すため,エノンとの反応では1,4-付加反応が進行し,エノラートアニオンが生成します。このエノラートアニオンは求電子剤と反応し,3成分付加体2を与えます。これにトリフルオロメタンスルホン酸銀を作用させると,フェニルチオ基の脱離を伴いながら環形成が進行し,3を形成します。大過剰(3当量)のトリフルオロメタンスルホン酸銀が存在する条件下では,さらに1分子のフェニルチオ基が脱離し,芳香環化して4を与えます。このように,1はソフトなチオエステルアシルアニオン等価体として1炭素成分の導入に有用です。

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文献
- Three-different-component [1+2+n]-annulation reactions: ionic and radical cyclizations