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手間をかけずに蛍光タンパク質を明瞭に観察したい方へ
植物透明化手法「TOMEI」1)を蛍光タンパク質の観察へ特化させた「improved TOMEI (iTOMEI)」は、松永研究室で開発された透明化の簡便さと明瞭に蛍光タンパク質を検出する機能を併せ持つ透明化手法です2,3,4)。
TCIでは、このiTOMEIに適した試薬をご用意しました。
図1. 共焦点顕微鏡で得られたシロイヌナズナ葉の光学切片画像
PBS処理のみよりも、iTOMEI処理サンプルではH2B-GFPを発現させた細胞核をより深部まで検出できています。
図2. iTOMEI処理前後のシロイヌナズナ比較画像
(左)処理前、(右)iTOMEI処理により透明化されたシロイヌナズナ
特長
- 漬けておくだけで簡単かつ短時間(2日~)に透明化が完了
- GFPやtdTomatoなどの蛍光タンパク質の蛍光を保持
- 自家蛍光を抑制
- イネ、シロイヌナズナ、ゼニゴケなどの幅広い植物種に適用可能
使用例
準備 | 【試薬】
|
固定 | 1% PFA / PBS中で室温で1時間固定する。 ※1 (サンプルが地上部の場合は脱気を行う) |
Wash | 固定液を取り除いた後にPBSを添加し、室温で5分間静置する。 同様の操作を2回行う。 |
脱色 | PBSを取り除き、脱色液を添加後、遮光し室温で24時間穏やかに振盪する。※1 |
Wash | 脱色液を取り除いた後PBSを添加し、室温で5分間静置する。 同様の操作を2回行う。 |
染色 | 染色液にサンプルを浸漬後、遮光し室温で静置する。※2 |
Wash | 染色液を取り除いた後PBSを添加し、室温で5分間静置する。 同様の操作を2回行う。 |
透明化 | PBSを取り除き、封入液を添加後、遮光し室温で60分間穏やかに振盪する。※3 |
封入 | スライドガラス上にサンプルと封入液を置き、カバーガラスでフタをして、 余分な封入液をふき取ってその淵をマニキュアなどで密封し、観察する。 |
※1 サンプルの種類や大きさによって適切な処理時間や濃度をご検討いただく必要があります。 ※2 DAPI染色の場合は5µg/mLで30分間、Calcofluor White染色の場合はCalcofluor White M3R 1g/L、Evans Blue 0.5g/Lで10分間が目安ですが、目的などに合わせて濃度・処理時間を 調整してください。 ※3 浸透圧変化を緩やかにしたい場合は濃度の薄い封入液での段階置換を検討してください。 |
植物透明化試薬iTOMEIの使用方法動画
関連製品
参考文献
- 1) Three-Dimensional Imaging of Plant Organs Using a Simple and Rapid Transparency Technique
- 2) 生体試料の透明化方法及び生体試料脱色剤
- 3) Improved clearing method contributes to deep imaging of plant organs
- 4) Whole-Tissue Three-Dimensional Imaging of Rice at Single-Cell Resolution