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ナノカーボン部分構造 / Nanocarbon Unit Structures

(1) シクロパラフェニレン(CPP)
 カーボンナノチューブ(CNT)は化学,材料科学,生命科学など,様々な分野で研究されているナノカーボン材料です。CNTは通常,アーク放電法,レーザーファネス法,化学気相成長法などの物理的手法によって合成されます。しかし,これらの物理的手法には,様々な直径を持つCNTが生成し,均一なCNTを合成できないという欠点があります。
 シクロパラフェニレン(CPP)はベンゼン環をパラ位で環状につなげた化合物であり,カーボンナノリングとも呼ばれます。この構造はCNTの最小構成単位に相当する分子であり,基礎化学のみならず材料科学などの応用分野からも注目されています。実際,伊丹らはこのCPPをテンプレートとし,炭素骨格をつなげていくことで,均一な直径を持つCNTをボトムアップで合成できること見出しました1)
 さらに最近では,より大きな歪みを持った小さいサイズのCPPの合成が行われています。山子2)およびジャスティ3)らのグループは,これまでに知られる最小のCPPである [5]CPPを,それぞれ独自の合成手法で報告しています。[5]CPPをテンプレートとすることで,最小の直径を有するCNTが合成できると期待されます。また,[5]CPPはC60フラーレンの部分構造でもあり,その電子状態や物性に関しても興味が持たれます。特定のサイズのCPPが,フラーレンを包摂することも報告されています4)

(2) コランヌレン,トルキセン
 コランヌレンは[5]サーキュレンとも呼ばれる多環芳香族化合物の一種で,5つのベンゼン環がリング状に縮環した形状をしています。1960 年代にコランヌレンが初めて合成され5),そのお椀型の構造が明らかにされています6)。コランヌレンはC60フラーレンの部分構造としても知られており,ナノカーボン材料の一つとして注目されています。
 スコットらはコランヌレンを出発原料とし,気相熱分解法(FVP)によるポリアレーン化合物の合成を報告しています。このポリアレーン化合物はエンドキャップされたCNTに相当するため,このポリアレーン化合物をテンプレートとしてチューブを伸長させることにより,CNTの化学合成が可能になるものと期待されています7)。伊丹,スコットらは歪んだコランヌレンの特殊構造を活かし,コランヌレンを出発原料とする湾曲したナノグラフェン化合物の合成を報告しています8)
 トルキセンは特異な星形構造を有する化合物で,剛直な平面構造を持っています。トルキセンもC60フラーレンの部分構造と考えられます。トルキセン誘導体はアモルファス構造を作りやすいことから,有機EL素子の材料として有用です9)。フラーレンを化学合成する試みとして,トルキセンを出発原料とするC60フラーレンの合成も行われています。オテロらは,トルキセンから3工程で前駆体となるC60H30ポリアレーンを合成し,これを白金表面上で加熱処理することにより,C60に全て変換されることを見出しました10)
(3) コロネン
 コロネンは[6]サーキュレンとも呼ばれる多環芳香族炭化水素の一種で,ベンゼン環が環状に6個つながった構造を持つ平面分子として良く知られています。グラフェンよりもサイズが小さく,ナノスケールの分子性化合物であるコロネンはナノグラフェンの代表的な化合物でもあり,注目が集まり始めている分子です。コロネンはグラフェンとは異なり,バンドギャップを持っているナノグラフェン化合物であることから有機トランジスタの材料としても研究されています11)。また,グラフェンナノ構造をコロネンからボトムアップ的に作製する研究も行われています12)。久保園らによるアルカリ金属をドープしたピセンの超伝導の発見以降13),多環芳香族炭化水素を用いた有機超伝導体の研究が盛んになってきています14,15)。近年,コロネンにアルカリ金属をドープすることで超伝導体になることが報告されています16)
A0005
Acenaphthylene
A0405
Anthracene Zone Refined (number of passes:30)
A0495
Anthracene
A0992
Anthracene
B0017
Benz[a]anthracene
B0085
3,4-Benzopyrene (purified by sublimation)
B0805
1,1'-Binaphthyl
B2982
Benzo[b]fluoranthene
B2983
Benzo[ghi]perylene
B4095
9,9'-Bianthracene
B5986
4-Bromo-4'-(4-bromophenyl)-3',5',6'-triphenyl-1,1':2',1''-terphenyl
C0339
Benzo[a]phenanthrene (purified by sublimation)
C0386
Coronene
C1689
1H-Cyclopenta[l]phenanthrene
C1961
Coronene (purified by sublimation)
C2449
[12]Cycloparaphenylene
C2572
Corannulene
C2931
[5]Cycloparaphenylene
C3386
[6]Cycloparaphenylene
C3465
[9]Cycloparaphenylene (This product is unavailable in the U.S.)
C3493
[10]Cycloparaphenylene
C3544
[8]Cycloparaphenylene
C3571
[7]Cycloparaphenylene
D0145
Dibenz[a,h]anthracene
D1005
Dibenzo[b,def]chrysene
D1689
9,10-Diphenylanthracene
D3736
Dibenzo[g,p]chrysene
D3975
9,10-Di(1-naphthyl)anthracene
D4127
9,10-Di(2-naphthyl)anthracene
D4401
9,10-Diphenylanthracene (purified by sublimation)
D5488
Dibenzo[a,l]pentacene
F0016
Fluoranthene
H1412
Hexaphenylbenzene
I1078
(6,6)Carbon Nanobelt Bis(tetrahydrofuran) Adduct
N0001
Naphthacene
N0599
Naphtho[2,3-a]pyrene
N0951
Naphthacene (purified by sublimation)
P0030
Pentacene (purified by sublimation)
P0078
Perylene
P0079
Phenanthrene
P0138
9-Phenylanthracene
P0331
Phenanthrene Zone Refined (number of passes:30)
P1104
Pyrene
P1310
Phenanthrene
P1629
Perylene (purified by sublimation)
P2072
Pyrene (purified by sublimation)
P2207
Picene (purified by sublimation) (>99.9%)
Q0001
p-Quaterphenyl
Q0018
p-Quinquephenyl
S0220
p-Sexiphenyl
S0888
Sumanene (This product is only available in Japan.)
T0018
m-Terphenyl
T0019
o-Terphenyl
T0020
p-Terphenyl
T0509
1,3,5-Triphenylbenzene
T0513
Triphenylene
T0561
5,6,11,12-Tetraphenylnaphthacene
T2233
5,6,11,12-Tetraphenylnaphthacene (purified by sublimation)
T2752
Truxene
T3042
1,3,6,8-Tetraphenylpyrene
T3263
p-Terphenyl (purified by sublimation)
T3267
Triphenylene (purified by sublimation)

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参考文献

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