ホーム > カタログダウンロード・出展情報 > 化学よもやま話 > 化学よもやま話

化学よもやま話

~研究室訪問記~ 科学クラブを訪ねて: 第33回化学クラブ研究発表会

第33回化学クラブ研究発表会(2016年3月29日,東京都 芝浦工業大学 豊洲キャンパス)

化学クラブ研究発表会の紹介

 「化学クラブ研究発表会」は,日本化学会関東支部が,中学校・高等学校の化学・理科クラブを対象に,化学に関係のある研究成果を発表する場として,毎年3月頃に化学会年会と並行して開催しています。2016年の化学会年会は同志社大での開催であったため,本発表会は芝浦工業大学の豊洲キャンパスで開催されました。今回の参加学校数は52校,口頭発表(15分間)が29件,ポスター発表が50件で行われました。参加者は生徒・教員および一般を含めると合計566名を数えました。各学校の発表件数限度は口頭1件まで,口頭とポスター合せても2件までの「狭き門」です。
 授与される賞は,金賞,銀賞,研究奨励賞,ポスター賞の各賞があります。また,公益社団法人新化学技術推進協会から「GSCジュニア賞」が贈られます。GSCとは「グリーン・サステイナブルケミストリー」の略称で,「人と環境にやさしく,持続可能な社会の発展を支える化学および化学技術」の意味を持ちます。

研究発表(教室会場)

研究発表(教室会場)

質疑応答(大講義室会場)

質疑応答(大講義室会場)

ページトップへ

受賞校と発表テーマ(各研究の要旨は公式サイトで読むことが可能です)

 主要各賞は以下の学校が選ばれました。TCIメール160号で紹介した駒場東邦高等学校は,今年もポスター賞に輝きました。受賞された各校の皆様おめでとうございます。

◇化学クラブ金賞

神奈川県立厚木高等学校「芳香族ニトロ化におけるアミド結合の効果についての研究」(発表番号25)
 本研究では,アセトアニリド,ホルムアニリド,およびクメンをニトロ化して反応生成物をGC測定することで,それぞれのオルトとパラ位の生成比を解析しています。その結果,アミド結合をもつアセトアニリドとホルムアニリドが,アミド結合をもたないクメンに比べ高いパラ位選択性を持つことを確認しています。さらに,その位置選択性について,アミド結合中のC–N結合の二重結合性と関連付けた考察を行っています。なお,この考察の参考資料として,TCIメールにも寄稿頂いている佐藤健太郎氏のWebサイト「有機化学美術館・ねじれたアミドの性質は?」を引用しています。アミドの立体構造やその反応性に関する研究は学術的にも広く行われていることもあり,印象に残った研究発表でした。

◇化学クラブ銀賞

開成高等学校「アンモニアを用いない平面鏡」(発表番号3)
東京工業大学付属科学技術高等学校「温度応答性ゲルの合成と評価」(発表番号11)

◇研究奨励賞

千葉県立柏高等学校「手賀沼のヘドロで水質浄化」(発表番号7)
東海大学付属浦安高等学校「きれいな七宝焼きはどのようにしてできるのかII」(発表番号15)
栃木県立栃木女子高等学校「褐変反応とビタミンCの含有量の比較」(発表番号20)
日本大学第三中学校・高等学校「泡の構造について」(発表番号24)

◇ポスター賞

駒場東邦高等学校「屈曲するケミカルガーデンの研究」(発表番号P22)
埼玉県立不動岡高等学校「1価の銅が電気分解によって生成されるメカニズムの解明」(発表番号P43)
玉川学園高等部「天然物を用いた色素増感太陽電池」(発表番号P24)

◇GSCジュニア賞

市川高等学校(2件),茨城県立水戸第一高等学校,千葉県立安房高等学校,広尾学園高等学校

ページトップへ

付録: 桐朋中学校高等学校文化祭・化学部演示

 TCIメール169号(2016年4月発行)で紹介した桐朋中学校高等学校文化祭の化学部演示に行ってきました(開催日:2016年6月5日)。日曜日の午前10時にも関わらず,演示実験会場となった階段教室は見学に来た小学生とその保護者で教室内に立ち見が出るほどの盛況ぶり。演示実験を楽しんだ後に,顧問の柿澤先生を伺いました。部屋には169号の取材時に協力頂いた大学生のOBたちも既に来ており,化学ネタの話題で盛り上がりました。先生からは,小学生でも理解できる演示実験解説と来訪者の安全対策の苦労話を伺いました。駒場東邦高等学校の文化祭取材(TCIメール160号,2014年1月発行)でも同様な話を伺ったのを思い出しました。先生と化学部員の努力により,化学者の卵たちが次々と産まれることを期待しています。

ページトップへ