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タンパク質分析用試薬

2003年ヒトゲノム計画の達成が宣言され、遺伝子と疾病の関係の解明が進んでいます。これら疾病の直接的な原因はゲノムから作り出されるタンパク質で、このタンパク質の解析は遺伝子と疾病の関係を明らかにするためにも重要で、プロテオミクスと呼ばれています。ゲノム計画の達成後の重要な研究テーマとして活発な研究が行われています。
タンパク質分析は、まず、2次元ゲル電気泳動にて目的のタンパク質を単離し、次いでプロテアーゼで分解、ペプチドとし、これをMS/MSで解析して単離したタンパク質を同定する手法が広く用いられています。しかしながら、2次元ゲル電気泳動は、極端な酸性や塩基性のタンパク質、あるいは疎水性のタンパク質などの分離が十分でないことや再現性のあるデータを得るためには2次元ゲル電気泳動の操作に熟練した技術者が行う必要があるなどの問題点を有しており、種々の改良法や新たな手法が開発されています。
今井らが開発したDAABD-Cl(1)を用いる手法もそうした方法の一つで、精度よくタンパク質を分析することができます。今井らは線虫からタンパク質を抽出し、この線虫タンパク質を緩衝液中でトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィンと反応させ、S-S結合を還元切断し、一次元構造とし、これに1を反応させ、線虫タンパク質混合物の蛍光標識体(2)を得ています。これを蛍光HPLCで分析し、複数のDAABD標識タンパク質から成るクロマトグラムを得ています(Figure 1)。この中から任意のDAABD標識タンパク質(3)を分取し、トリプシンで分解してDAABD標識ペプチドなどから成るペプチド混合物(4)とし、LC-MS/MSにて質量分析を行い、その結果をMASCOTデータベースシステムで解析し、元のタンパク質を同定しています(Scheme 1)。
DAABD-Cl(1)の7位のClはSH基と特異的に反応結合します。1それ自身は無蛍光ですが、SH基と反応結合した場合はベンゾオキサジアゾール骨格に起因する強い蛍光を持ちます。タンパク質中に含まれるS-S結合、SH基はそれほど多くなく、理想的な割合でタンパク質を蛍光標識することができます。しかもその励起波長、蛍光波長とも長波長で、高感度、高選択的なタンパク質の蛍光分析、分取が行えます。また、4位の末端にジメチルアミノ基を有しており、エレクトロンスプレーイオン化により正イオンが強い強度で得られます。そのため、極微量のペプチドをも解析することができます。
1は蛍光HPLCでの分取とMS/MSでの解析を効果的に行える標識試薬で、この今井らの開発したタンパク質分析法は、微量のタンパク質を精度よく簡便に同定することができます。存在量が僅かな異常タンパク質、病原タンパク質などの同定を始めとする多方面でのプロテオミックスへの利用が期待されています。

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