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アルカロイド

 アルカロイドは塩基性窒素を含む低分子化合物で主に植物中に存在します。現在まで約2万7千化合物のアルカロイドが報告され,そのうち2万1千化合物が植物由来です。
 アルカロイドは強い生物活性を持つものが多く,薬用植物の主成分でもあり,医薬品として用いられているものもあります。正電荷を持つ窒素原子の影響で,タンパク質と静電的相互作用して結合し,特に,神経系の受容体に結合する薬剤が多く含まれます。

生合成

 アルカロイドの生合成は,その起源となる窒素源により多岐にわたります。図1に示すように,多種のアミノ酸から生合成されます。また,アルカロイドの基本構造単位に対して,さらに別のアルカロイドが結合してより複雑な構造の化合物が生まれています。

構造分類

 IUPACの天然物命名法に収載されているアルカロイドの骨格名は67個にもなります。これらを大別すると,図1に示す生合成の基本構造単位に分類することができます。本項では,図1の枠で示した構造に加え,プリンアルカロイドを含め9つに分類しました。なお,アルカロイドに分類されることがあるポリアミンについては「ポリアミン」の項をご参照ください。

保存

 アルカロイドは室温では比較的安定に保存できます。しかしながら,塩基性のため空気中の二酸化炭素と反応し,炭酸塩を生成します。また,酸素と反応して着色しやすい性質があります。そのため,開封後は念のため,窒素,アルゴンなどの不活性ガスを封入し保管されることをお勧めします。

溶解度

 一般に酸性の水に溶解します。塩になっているものは中性付近の水にも溶解します。遊離塩基の場合は中性の水に不溶であることが多く,クロロホルム,メタノール,DMSOなどの極性有機溶媒に可溶です。

分析

 HPLC:ODSカラムを用いた逆相モードでは移動相に酢酸またはトリフルオロ酢酸を添加することでピークのテーリングを抑制する効果があります。また,イオン交換-ODS型のTCI-Dualも効果的です。検出は一般にUV検出器で行います。
TLC:順相シリカゲルではクロロホルム―メタノール―アンモニア水が比較的良好な分離を示します。また,NH2型のシリカゲルも有効です。ドラーゲンドルフ試薬がアルカロイドに対して選択的な発色剤です(三級アミン,四級アンモニウム塩は橙色スポットを与えます)。

ご注意

 アルカロイドには微量で強い毒性を示すものがあります。特に神経系への重篤な作用を起こし,麻痺,痙攣,最悪の場合,死に至るおそれがあります。身体への付着,吸入を防ぐため,取り扱いの際には保護衣,保護手袋,保護眼鏡,マスクをご着用ください。また,保管,輸送,使用から廃棄に至るまで,十分な安全対策と,細心の注意のもとにお取り扱いください。

参考文献

  • P. M. Dewick, in Medicinal Natural Products, 3rd ed., John Wiley & Sons, Chichester, 2009, p. 311.

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