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磁性金属錯体

 磁性の種類には,不対電子が無秩序に配列した常磁性,不対電子が同じ向きに配列した強磁性,不対電子が交互に反平行に配列した反強磁性,磁気モーメントの異なる不対電子が反平行に配列したフェリ磁性,不対電子を持たない物質が示す反磁性などがあります。強磁性体のエレクトロニクスへの重要な用途は磁気ディスクで,今でもハードディスクの記憶容量は拡大の一途を辿っています。また,M4[M(CN)6]3などの組成式で知られるプルシアンブルー類縁体には,強磁性やフェリ磁性を示すものが多く知られています1,2)
 ネオジム磁石やフェライト磁石が無機固体の磁性体であるのに対し,分子性の金属錯体を用いた磁性材料も研究開発されてきました。分子磁性体は構成単位が分子であることで,化学的な分子修飾によって物性を制御できる利点があります。また,分子性の化合物は低コストでデバイス製造できると期待されています。ミラーらは,メタロセン化合物とテトラシアノエチレン(TCNE)あるいはテトラシアノキノジメタン(TCNQ)の電荷移動錯体が強磁性体になることを報告しています3,4)。また,分子一つがあたかも磁石(強磁性体)であるかのような単分子磁石(Single Molecule Magnet: SMM)は,1993年から精力的に研究が行われています5,6)。SMMは分子性化合物ならではの磁性材料であり,高密度情報媒体に応用できるものと期待されています。また,磁性金属錯体を一次元方向に連結した際に強磁性を発現する単一次元鎖磁石(Single-Chain Magnet: SCM)なども知られています7)。加藤らは,1,2-ジチオレン配位子を有する金属錯体の塩(Cation)[Pd(dmit)2]2が,二量体[Pd(dmit)2]2アニオンラジカルを形成し,常磁性,反強磁性,超伝導,スピン液体などの多様な電子物性を示すことを明らかにしています8)

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