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多段階反応合成例: トリコスタチン A
トリコスタチン Aの合成は,弊社の多段階反応への対応力と工程改良・開発の技術力を表現する一例です。
トリコスタチンAは、ヒストン脱アセチル化酵素 (HDAC) 阻害剤として、辻らによって細菌種のStreptomyces hygroscopicusから単離、構造決定された化合物ですが、TCIは当化合物を「全合成的手法」で製造法を開発。さらに、当初20工程に及んでいた多段階反応をプロセスの改良によって9工程に短縮し、量産化まで達成しました。
(改良前) 20工程
光学分割条件の開発
(改良後) 9工程

プロセス開発
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森らの製法を参考に、(R)-(-)-3-ヒドロキシイソ酪酸メチル [H0703]を出発物質として検討を開始。
【森らの合成ルート】
課題: 過程で必要なトリコスタト酸(2)の製造では、スケールアップと光学純度の保持が難しい。
- トリコスタト酸(2)の光学分割条件を見い出し、安定的かつ高い光学純度でトリコスタチンAの製造を達成。
【光学分割条件】
課題: 全20工程の短縮と量産化。
プロセス改良
見出したトリコスタト酸の光学分割条件がラセミ体でも有効なため、Flemingらのラセミ体合成法でトリコスタチンAの短工程での製造を試み、工程を20工程から9工程まで短縮。量産化も容易に。
【Flemingらの合成ルート】

天然型の(+)-トリコスタチンAだけでなく、非天然型の(-)-トリコスタチンAも製造可能に。

※天然型の (+)-体が様々なHDACを阻害するのに対し、非天然型の (-)-体はHDAC6選択的に弱い阻害作用を示すことが報告されています。
反応スキーム中の()内の記載は,東京化成工業の製品コードです。3万品目を超える製品は,受託合成における原料にもなっています。
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