Maximum quantity allowed is 999
TCIでは,糖鎖と化合物,糖鎖とタンパク質等をコンジュゲートする試薬を数多く取り揃えております。また,HSAに糖鎖をコンジュゲートした評価用ツールもご用意しています。
HSA-糖鎖コンジュゲート
高純度な合成糖鎖をヒト血清アルブミン (HSA) にコンジュゲートした糖タンパク質です。抗体をはじめとする糖結合分子の評価にご活用ください。本製品で使用しているHSAは植物で産生させた組換え体HSAで,動物由来成分は含まず,ウィルス汚染の懸念もありません。天然ヒト血清アルブミンと同等の構造,特性,生理活性を有しています。
以下にご紹介する糖鎖コンジュゲート以外にも,お客様の要望に合わせた糖タンパク質を受託製造することも可能です。ぜひお問い合わせください。
グロボトリオースに結合する物質のアッセイに適したHSA-Gb3 [H1718]
抗Gb3抗体 [A2506]はHSA-Gb3 [H1718]に反応する一方,還元開裂して結合したBSA-Gb3には全く反応しません。
還元開裂法により作製されたBSA-Gb3は,エピトープの還元末端は開裂してからBSAと結合しています。しかしながら,HSA-Gb3 [H1718]は還元末端が閉環した状態でPEGリンカーを用いてHSAと結合しているため,エピトープの構造を損なうことなくコンジュゲートしています。
抗Gb3抗体 [A2506]によるグロボトリオース構造の特異的検出
製品
糖鎖コンジュゲート
Biotin-糖鎖コンジュゲート
- F1021
- Fucα(1-6)GlcNAc-β-propylamido-biotin
- G0511
- Galβ(1-3)GlcNAcβ(1-3)Galβ(1-3)GlcNAc-β-PEG3-biotin
- G0512
- Galβ(1-3)GlcNAc[6S]β(1-3)Galβ(1-3)GlcNAc[6S]-β-PEG3-biotin
- G0513
- Galβ(1-3)GlcNAcβ(1-3)Galβ(1-4)GlcNAc-β-PEG3-biotin
- G0514
- Galβ(1-3)GlcNAc[6S]β(1-3)Galβ(1-4)GlcNAc[6S]-β-PEG3-biotin
- G0515
- Galβ(1-4)GlcNAcβ(1-3)Galβ(1-4)GlcNAc-β-PEG3-biotin
- G0516
- L2-L2-β-PEG3-biotin
- G0517
- L4-L4-β-PEG3-biotin
- G0297
- N-GlcNAc-Biotin
- H1487
- HNK-1 Biotin
- M2985
- M3-biotin
- M2986
- M3(Fuc6)-biotin
糖鎖コンジュゲートの使用用途
免疫細胞療法(細胞移入治療)
抗体医薬品やがんワクチン治療もがん細胞を検出する仕組みを助ける治療法で,最終的には細胞内の免疫細胞と協働してがん細胞を破壊します。細胞移入療法は生体内にある免疫細胞をいったん体外に出し,がん細 胞を攻撃する能力を付与(向上)させたうえで再び体内に戻します。このような治療法の研究にも糖鎖試薬の応用するケースが増えてきています。
細胞傷害性T細胞(Cytotoxic T Lymphocyte;CTL)
ヘルパー T 細胞が抗原の刺激に応じてエフェクター細胞となり,がん細胞を攻撃します。がん細胞だけにある「がん抗原」を目印にしてリンパ球を刺激すると,このうち,がんだけを殺す特異的なCTLが増えるようになります。特異的なCTLを増やし体内に投与するとがん治療効果も見られるため,現在いかにしてうまく増やすかという研究が世界中でなされています。
樹状細胞療法
樹状細胞は,四方八方に木の枝ように伸びた形をしている細胞で,抗原をリンパ球に提示する能力を持つ重要な細胞です。この細胞のもつ抗原提示能を利用してがん抗原を細胞表面のMHC分子に提示させれば,がん細胞の特異的なCTLを誘導できることがわかっており,がん治療の有望な方法と考えられています。
α-ガラクトシルセラミド(α-GalCer)
α-ガラクトシルセラミド(α-GalCer) [G0509]は,海綿の一種であるAgelas mauritianusから抽出されたスフィンゴ糖脂質です。 抗原提示細胞の一種であるCD1dのリガンドとして複合体を形成し,免疫細胞のNKT細胞(谷口らによって同定された NK 細胞とT細胞の両方の性質を持つ細胞)を強力に活性化,多種のサイトカインを産生させ免疫賦活・免疫抑制両方の反応を誘導します。
そのためα-GalCerは,がん・アトピー・喘息などの疾患研究や,アジュバント(免疫補強剤)として利用研究が盛んに行われています。薬理活性を向上させるため脂質構造に二重結合や芳香環を導入した類縁体の研究も行われており,多様な構造を指向できるα-GalCer中間体の供給が求められています。