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TCI反応実例:カプセル試薬を用いたGoldbergアミノ化反応
カプセル試薬を用いた、2-ブロモピリジンとインドールのGoldbergアミノ化反応をご紹介します。カプセル試薬を用いることで、触媒と配位子を秤量する手間が省けます。1カプセルあたり1,10-フェナントロリンが200 μmol、ヨウ化銅(I)が800 μmol充填されています。
使用した化学品
実施手順
インドール (93.7 mg, 800 µmol)、2-ブロモピリジン (164 mg, 1.04 mmol, 1.3 eq.)および炭酸セシウム (521 mg, 1.60 mmol, 2.0 eq.)のDMSO (2.5 mL)溶液に、ヨウ化銅(I)封入HPMCカプセルと1,10-フェナントロリン封入HPMCカプセルを室温下で1粒ずつ加え、150 °Cで2時間攪拌した。室温に冷却後、反応溶液に酢酸エチル (15 mL)と飽和硫酸ナトリウム水溶液 (15 mL)を加え、セライトろ過した。ろ液を酢酸エチル (15 mL)で2回抽出後、有機層を2 mol/L 塩酸 (15 mL)および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 (15 mL)で洗浄した。次にこれを無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル= 10:1 - 5:1)で精製すると、N-(2-ピリジル)インドール (130 mg, 収率84%)が淡黄色液体として得られた。
実施者コメント
反応溶液はUPLCでモニタリングした。
カプセルは図1のような形状で、1カプセル当たり1,10-フェナントロリンが約200 μmol、ヨウ化銅(I)が800 μmolがそれぞれ充填されている。
カプセルの素材は、水溶性のHPMC (ヒドロキシプロピルメチルセルロース)である。
カプセルは水や極性溶媒中で図2のように崩壊する。図1. カプセル外観 図2. カプセルが崩壊する様子
(左) カプセル投入直後、(右) カプセル投入から15分後
分析データ
N-(2-ピリジル)-インドール
1H NMR (400 MHz, CDCl3); δ 8.21 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 7.85-7.81 (m, 1H), 7.37 (d, 1H, J = 4.0 Hz), 7.67 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 7.51 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 7.30(t, 1H, J = 8.0 Hz), 7.23-7.16 (m, 2H).
先行文献
- Reagent and Catalyst Capsules: A Chemical Delivery System for Reaction Screening and Parallel Synthesis
その他の文献
- Transition-Metal-Free O-, S-, and N-Arylation of Alcohols, Thiols, Amides, Amines, and Related Heterocycles