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化学よもやま話
~身近な元素の話~ 炭素と結合する元素 ≪用語解説≫
カルベン錯体
カルベン炭素が金属に配位した有機金属錯体を指します。その化学的反応性の違いによりフィッシャー型カルベン錯体とシュロック型カルベン錯体に分けられます。
フィッシャー型カルベン錯体は金属中心が電子不足の状態であり,親電子性を示します。そのため化学的な反応性はカルボニル化合物に類似しており,各種求核剤による付加反応を受けやすい特徴があります。またその電子的な構造上,置換基のひとつがアルコキシ基に置き換わっています。
シュロック型カルベン錯体は,フィッシャー型カルベンとは逆に中心金属の電子密度が高く,求核性を示します。特に炭素-炭素あるいは炭素-ヘテロ原子多重結合に対し,高い反応性を示します。代表的な反応例としてオレフィンメタセシスやカルボニルオレフィン化が有名です。非常に有用であるため,多くの錯体が試薬メーカーより販売されています。
フィッシャー型カルベン錯体は金属中心が電子不足の状態であり,親電子性を示します。そのため化学的な反応性はカルボニル化合物に類似しており,各種求核剤による付加反応を受けやすい特徴があります。またその電子的な構造上,置換基のひとつがアルコキシ基に置き換わっています。
シュロック型カルベン錯体は,フィッシャー型カルベンとは逆に中心金属の電子密度が高く,求核性を示します。特に炭素-炭素あるいは炭素-ヘテロ原子多重結合に対し,高い反応性を示します。代表的な反応例としてオレフィンメタセシスやカルボニルオレフィン化が有名です。非常に有用であるため,多くの錯体が試薬メーカーより販売されています。
オレフィンメタセシス
2種類のオレフィンの間で,それぞれの二重結合を交差・交換することで,別の2種類のオレフィンに変換する化学反応を指します。オレフィンメタシシスによく用いられるのはシュロック型カルベン錯体であり,MoやRu,Tiなどの金属がよく用いられます。オレフィンメタセシスは置換基の立体障害の影響が反応の合否に大きく影響します。そのため,高い反応活性を示す金属触媒の開発は1990年代から現在に至るまで研究は進んでいます。
D8h対称
Cnの対称主軸をもち,かつ主軸と垂直なC2回転軸をn個もつ分子はDn群に属します。さらに主軸に直行する対称面(鏡面σh)をもつ分子はDnhで示されます。下記の図の条件を満たす分子はD8hに分類されます。