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高原子価レニウム / Organorhenium Catalysts
No.107(2000/07発行)
種々の遷移金属化合物が有機合成に盛んに利用される中,レニウム化合物は1990年代に入ってようやく合成反応への利用が試みられるようになりました。本品1および2のようなレニウム化合物を用いた特徴的な合成反応が開発されています1)。

1は過酸化水素と共に用いられ,触媒的に酸化反応を行います。例えば,触媒量の1を用いたオレフィンの酸化反応は,室温で速やかに進行し,対応するエポキシドを高収率で与えます2a)。また,フェノールのキノンへの酸化2b),ベンズアルデヒドのフェノールへの酸化2c),スルフィドのスルホキシドへの酸化2d),さらに3級炭素の酸化によるアルコールの生成反応2e)などにも利用されます。

2は同族の過マンガン酸塩などとは異なり,アルコールやオレフィンを酸化できません。しかし,アリルアルコールやプロパルギルアルコールに対し,触媒量の2とp-トルエンスルホン酸を塩化メチレン中室温で作用させることにより,1,3-転移反応が進行します3)。また,2とプロトン酸との組み合わせは,Beckmann転移反応の触媒として有効に働きます4)。
文献
- 1) Review
- 2)Catalytic oxidation with MTO and H2O2
- a)W. A. Herrmann, R. W. Fischer, D. W. Marz, Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 1991, 30, 1638.
- b)W. Adam, W. A. Herrmann, J. Lin, C. R. Saha-Moller, J. Org. Chem. 1994, 59, 8281.
- c)S. Yamazaki, Chem. Lett. 1995, 127.
- d)W. Adam, C. M. Mitchell, C. R. Saha-Möller, Tetrahedron 1994, 50, 13121.
- e)R. W. Murray, K. Iyanar, J. Chen, J. T. Wearing, Tetrahedron Lett. 1995, 36, 6415.
- a)W. A. Herrmann, R. W. Fischer, D. W. Marz, Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 1991, 30, 1638.
- 3)1,3-Rearrangement of allylic and propargylic alcohols with nBu4NReO4 and p-TsOH
- 4)Beckmann rearrangement with nBu4NReO4 and CF3SO3H
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また,地域等によって販売製品が異なります。製品詳細ページが表示されない場合は,販売は行っておりませんのでご了承ください。
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