本品1は２つのジメチルアミノ基がケイ素原子に直結した２官能性化合物で，ジオール，ジアミン1)と反応し，ポリマーや環状化合物を形成します。C. L. Homrighausenら2)はこの性質に着目し，ジオール2と反応させてコポリマー3を合成しています。この 3 は高温で安定なエラストマーの前駆体として利用されています。
また，1をガスクロマトグラフィー用前処理剤として応用した例も報告されています3)。過剰量の1にアルコールを加えると，２つのジメチルアミノ基の一方が反応し，ジメチルアミノ（ジメチル）シリルエーテルを生成します。このエーテルは窒素原子を含んでいるため，FTDを用いて高感度で検出することができます。最近では話題のデンドリマーの合成に用いられた例も報告されています4)。
このように本品1は機能性材料の研究分野やガスクロマトグラフィー用前処理剤など多方面で利用されている有用な試薬です。
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二官能性シラン / Bifunctional Silane
No.110(2001/04発行)
文献
- 1)The preparation of organo-1,3,2-diazasilacycloalkanes
- 2)Silarylene-siloxane-diacetylene polymers as precursors to high temperature elastomers
- C. L. Homrighausen, T. M. Keller, Polym. Mater. Sci. Eng. 2000, 83, 8.
- 3)Silyl ethers for use with selective GC detectors
- C. F. Poole, A. Zlatkis, J. Chromatogr. Sci. 1979, 17, 115.
- 4)A new divergent route to the synthesis of organophosphine and metallodendrimers
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