ジアミノホスフィンオキシド1,2は空気中で安定なホスフィン配位子で,遷移金属と高触媒活性の錯体を形成します。そのため,1,2はC-C,C-Nカップリング反応で用いられる遷移金属—ホスフィンの系において,従来のホスフィン配位子の代わりに用いることができます。
配位子1,2はパラジウム,ニッケル触媒を用いた鈴木—宮浦カップリング反応に用いることができ,反応性が低いとされるアリールクロリドを基質にしても良好な結果を与えます1)。
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空気中で安定なジアミノホスフィンオキシド配位子 / Air-Stable Diaminophosphine Oxide Ligands
No.145(2010/01発行)


配位子2を熊田カップリングに用いると,アリールフルオリドを基質にすることができ,既存の方法よりも優れた結果を与えます2)。

使用例: 4-(1-ナフチル)アニソールの合成2)
Ni(acac)2 (7 mg, 0.03 mmol) とジアミノホスフィンオキシド2 (13 mg, 0.03 mmol) の乾燥THF (5 mL) 溶液を窒素雰囲気下10分室温で撹拌する。1-フルオロナフタレン (148 mg, 1.01 mmol) を加え,5分撹拌する。その後,4-メトキシフェニルマグネシウムブロミド (0.5 M THF溶液, 3.0 mL, 1.50 mmol) を加え,室温で15時間撹拌する。ジエチルエーテル (75 mL),水 (75 mL)を加え水層をジエチルエーテルで抽出する (75 mL×2)。有機層を合一し,硫酸マグネシウムで乾燥する。ろ過後,減圧下濃縮し,得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ペンタン/ジエチルエーテル 300:1→100:1) で精製することにより,4-(1-ナフチル)アニソールの淡黄色固体が得られる (223 mg, Y. 94%)。
Ni(acac)2 (7 mg, 0.03 mmol) とジアミノホスフィンオキシド2 (13 mg, 0.03 mmol) の乾燥THF (5 mL) 溶液を窒素雰囲気下10分室温で撹拌する。1-フルオロナフタレン (148 mg, 1.01 mmol) を加え,5分撹拌する。その後,4-メトキシフェニルマグネシウムブロミド (0.5 M THF溶液, 3.0 mL, 1.50 mmol) を加え,室温で15時間撹拌する。ジエチルエーテル (75 mL),水 (75 mL)を加え水層をジエチルエーテルで抽出する (75 mL×2)。有機層を合一し,硫酸マグネシウムで乾燥する。ろ過後,減圧下濃縮し,得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ペンタン/ジエチルエーテル 300:1→100:1) で精製することにより,4-(1-ナフチル)アニソールの淡黄色固体が得られる (223 mg, Y. 94%)。
文献
- 1)Diaminophosphine oxides as ligands for C-C and C-N couplings with aryl chlorides
- 2)Efficient coupling by activation of C-Cl and C-F bonds using air-stable phosphine oxides
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