有用なDMAP類縁体 / Useful DMAP Analog
9-アザジュロリジン(1)は強力なアシル化触媒で,立体障害の大きなアルコールのアシル化において,4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)や他の類縁体に比べ高い触媒活性を示します1)。
また,1はその電子豊富な性質のため,アリール炭素-ヘテロ原子結合を形成するポスト-Ullmann型カップリング反応を促進する補助配位子としても有用です2)。この方法は,有機光電子デバイスの正孔輸送材料となるトリアリールアミンの合成などに応用することができます。
実験例: C-N結合生成反応2)
セプタムを取り付けた二口フラスコにCuI (9.5 mg, 0.05 mmol),塩基 (2.0 mmol),アリールヨージド (1.0 mmol),アリールアミン (1.2 mmol) を加え,アルゴン置換する。室温でトルエン (4 mL),9-アザジュロリジン (1; 1.0 mL, 0.1 mmol, 0.1 M in toluene) をシリンジで加える。反応混合物を110 ℃で40時間加熱する。室温に戻し,水 (20 mL) を加え,ジクロロメタン (15 mL×3) で抽出する。有機層を合わせて硫酸マグネシウムで乾燥後,減圧濃縮し,得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより目的のカップリング生成物が得られる。
文献
- 1)Enhancing the catalytic activity of 4-(dialkylamino)pyridines by conformational fixation
- a)M. R. Heinrich, H. S. Klisa, H. Mayr, W. Steglich, H. Zipse, Angew. Chem. Int. Ed. 2003, 42, 4826.

- b)S. Singh, G. Das, O. V. Singh, H. Han, Tetrahedron Lett. 2007, 48, 1983.

- 2)Application of 9-azajulolidine to post-Ullmann reactions
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