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Tankyrase阻害剤

No.174(2017/07発行)
X0077
XAV 939 (1)
X0077
 XAV 939(1)は化学遺伝学的スクリーニングによって発見されたタンキラーゼの小分子阻害剤です1)1はタンキラーゼ1と2をそれぞれ,11 nM,4 nMのIC50で阻害します(Table)。1によるタンキラーゼの阻害はアキシンを安定化し,β-カテニンの分解を促進します。このβ-カテニンの脱安定化はWntシグナル経路を阻害します。それゆえ,1はWntシグナリングのアンタゴニストとして使用されます。
 β-カテニンは幹細胞の多機能性に重要な役割を担っています2)。Davidsonらは,Wnt/β-カテニンシグナルの活性化によりヒト胚性幹細胞の自己再生能の低下が引き起こされ,この低下が1により阻止できることを報告しています3)。EpiSCsのnaïve-like PSCs(rESCs)への転換は,1によるβ-カテニンの核への移行の阻害によって向上します4)1はまた,マウスやヒトのESCsから心筋細胞への分化を誘導します5,6)
EpiSCs: epiblast stem cells
PSCs: pluripotent stem cells
rESCs: reverted embryonic stem cells

Table. Inhibitoryactivity of XAV 9391)

X0077-table

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文献

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