ペロブスカイト太陽電池の開発は,宮坂らの最初の報告1)から10年間で著しい発展を遂げており,小面積セルの変換効率で25.2%,モジュール効率で16.09%,ペロブスカイト/シリコンタンデム効率で29.15%に達しています2)。多くの研究者がペロブスカイト太陽電池の実用化のため,素子の安定化と大面積化に取り組んでいますが,大規模生産に向けた主なボトルネックの一つはホール輸送層にあります。従来から使用されているSpiro-OMeTAD,PTAAなどのホール輸送材料は材料コストが高いだけでなく,キャリア輸送特性の向上のためにドーパントを必要とすることから,太陽電池の安定性を低下させることが分かっています。
近年,GetautisとAlbrechtらは,ペロブスカイト太陽電池を高性能化するホール選択的自己組織化単分子膜(SAM)形成試薬である2PACz (1)とMeO-2PACz (2)を開発しました。1および2はホスホン酸をアンカーとすることで,金属酸化物表面に単分子膜を形成する特徴があります。SAMは凹凸面にも均一に被覆できることから,タンデム太陽電池の作製にも有効です。SAMホール輸送層を使った太陽電池はドーパントを添加しなくても20%以上の変換効率を実現でき,さらに材料消費量が少ないことからコスト対効果が極めて高いといえます3)。
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