レドックスフロー電池(RFB)は,大規模化可能な設置型蓄電池として応用研究が進んでおり,これらは電力の需要・供給のバランスが取れたスマートグリッドに必要な蓄電装置として期待されています。レドックス活性な有機材料を電解液に用いることで,先行研究がおこなわれているバナジウムRFBよりも低コストに製造が可能になることから,有機RFBは近年注目を集めています。しかし,有機分子の欠点の一つとして,その化学的安定性が比較的低いことが挙げられます。従来の有機RFBでは0.1〜3.5%/日のパフォーマンス低下を示すことが報告されており,長期間のバッテリーの使用においては寿命の課題克服が求められています1)。
近年,Gordon, Azizらはキノン系RFB材料2,6-DBEAQ (1)を用いたRFBは長寿命であることを報告しています。それによると,パフォーマンス低下は1日に0.01%未満,1サイクルあたり0.001%未満に留まることが明らかになっています。1の分子骨格には中心のアントラキノン構造に溶解性の高いカルボキシ基が導入されており,アルカリ電解液中で高い化学的安定性と溶解性(pH 12で0.6 M,pH 14で1.1 M)を示します。1の負極電解液をフェロシアン化カリウムの正極電解液とペアにすることで,蓄電池の開放電圧は1.05 Vを示し,理論的エネルギー密度17 Wh(pH 12)に達します2)。
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