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結晶性の高いCOFの合成に使用できるジウレア・トリウレア誘導体
No.197(2024/11発行)
共有結合性有機構造体 (COF)は、有機リンカーを共有結合することにより合成される結晶性の多孔性物質で、分子の分離や貯蔵、光触媒、エレクトロニクスなどへの応用が期待されています1)。1,1'-(1,4-フェニレン)二尿素 (1)をはじめとしたジウレア誘導体は、柔軟なウレア結合からなるCOFの合成に使用されます2)。加えて、ZhuとCooperらは、ウレア型COFを前駆体としたβ-ケトエナミン型COFの合成法を報告しました3)。まず、1や1,1'-([1,1'-ビフェニル]-4,4'-ジイル)二尿素 (2)などのウレア誘導体と2,4,6-トリホルミルフロログルシノールとの縮合により、ウレア型COFを合成しました。COFの結晶性は合成中のエラー修正プロセスにより向上するため、可逆性の高いウレア結合は結晶性向上に有利です。次いで少量の水を含む溶媒中でこれを加熱することで、ウレア結合の加水分解とそれに続くイミン縮合により、β-ケトエナミン型COFを得ました。この「再構成」により合成したCOFは、直接合成した同構造のCOFよりも結晶性と多孔性が向上し、光触媒性能も向上したことが示されています。

文献
- 1) The Atom, the Molecule, and the Covalent Organic Framework
- 2) Urea-Linked Covalent Organic Frameworks
- 3) Reconstructed covalent organic frameworks
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