軸不斉を有する (S)-および(R)-BINOLは,様々な不斉合成反応に幅広く利用される代表的な配位子です。1は,それらの3,3'-位にブロム原子を導入した構造を有しています。そのため,水酸基と隣接した1の3,3'-位に様々な置換基を導入することが可能になり,新しい特徴を有した配位子の構築に利用することができます。例えば,1より合成された配位子を用いたアルミニウム触媒2は,不斉ヘテロDiels-Alder反応において優れたcisおよびエナンチオ選択性で付加体を与えます1)。これは3,3'-位の嵩高いトリアリールシランが反応制御に強く影響しているものと考えられています。
また,1を誘導することなく,そのまま配位子として利用する例も報告されています。例えば,1およびキラル6,6'-ジブロモビナフトールを配位させたジルコニウム触媒は,α-アミノニトリルの不斉合成に利用されています2)。
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光学活性ビナフトール誘導体/Chiral BINOL Derivatives
No.112(2001/10発行)

文献
- 1)Asymmetric Hetero-Diels-Alder reaction catalyzed by chiral organoaluminum reagent
- 2)Preparation of enantiomerically pure α-amino acid derivatives using a chiral zirconium catalyst
- H. Ishitani, S. Komiyama, Y. Hasegawa, S. Kobayashi, J. Am. Chem. Soc. 2000, 122, 762.
- 小林修, 石谷暖郎, 現代化学 2000, 348, 34.
- H. Ishitani, S. Komiyama, Y. Hasegawa, S. Kobayashi, J. Am. Chem. Soc. 2000, 122, 762.
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