リンは周期表において,窒素と同じ15族に属しており,炭素と結合し,種々の有機リン化合物を形成します。しかしながら,窒素は第2周期,リンは第3周期に属しているため,原子の大きさ,イオン化エネルギー,電気陰性度などが異なります。そのため,有機リン化合物は有機窒素化合物にない特徴的な反応性を示し,有機合成上有用な反応試剤として利用されています。例えば,リンは酸素に対する親和力が高く,リンイリド,ホスホナートはそれぞれWittig反応,Horner-Emmons反応に利用され,アルデヒドから酸素を引き抜き,オレフィンを生成します。ホスフィンは光延反応においてアルコールから酸素を引き抜き,エステルを生成させます。
このホスフィンのもう一つの大きな特徴として,ソフトな非共有電子対を有していることが挙げられます。そのため,パラジウムなどの遷移金属と比較的安定な錯体を形成します。この遷移金属錯体は鈴木―宮浦クロスカップリング反応,Heck反応などの触媒として多用されています1)。また,ホスフィンはアミンと同じく三角錐型の構造を取りますが,その反転障壁エネルギーは対応するアミンよりかなり大きな値を持ちます。3つの異なる置換基を持つホスフィンには光学異性体が存在します。この光学活性なホスフィンはP-キラル配位子として不斉合成に利用されています2)。
システム復旧のお知らせ:システムメンテナンスが完了しました。完了予定時間を超過しご迷惑をおかけしてしまいましたこと、深くお詫び申し上げます。
東京化成化学振興財団が2026年度助成金募集を開始|HPMCカプセル試薬トライアルキャンペーン|募集中新設・移設研究室サポートプログラム|キャップ天面の二次元コードで製品書類簡単取得| [製品ハイライト] 眼圧降下作用のある… |◆TCIウェブサイトのご案内◆|※ その他のお知らせ・更新情報(2025.7.14更新)