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スーパーブレンステッド酸 / Super Brønsted Acid

 本品12は石原,山本らによって開発されたスーパーブレンステッド酸,およびポリマー担持スーパーブレンステッド酸で,強力な電子吸引性基である2つのトリフルオロメタンスルホニル基とペルフルオロフェニル基をメチン炭素上に有しています。そのため,メチン炭素上のプロトンの酸性度は極めて高く,それぞれ,優れた酸触媒として種々の反応に用いられています1a)。例えば1はpKa=1.5 (in CD3CO2D)を示し,(-)-メントールのアシル化反応などにおいて,その有用性が報告されています。
 2は極性,非極性溶媒のいずれにもよく膨潤し,高い触媒活性を有しており,回収,再利用可能な固体酸触媒として利用されています。例えば,ベンジルアセトンのアセタール化反応では,反応後,ろ過により定量的に回収でき,10回以上繰り返し利用しても触媒活性は損なわれず,そのターンオーバー数は10,000を超えます1a)
 また,2を反応カラムの充填剤として応用した例も報告されています1b)。反応カラムは使い捨てシリンジに2とセライトをブレンドしたものを充填しただけの極めてシンプルなものです。もちろん反応カラムをポンプと繋いで連続フローシステムを構築することも出来ますが,2の触媒活性が非常に高いため,少量のサンプルを1回のフローで短時間に収率よく官能基変換することができます。例えば,ベンズアルデヒドとアセトフェノンのシリルエノールエーテルの混合溶液を反応カラムに1回通すだけで定量的に向山アルドール反応が進行します。得られるアルドールのシリルエーテルの溶液をもう一度反応カラムに通すと加水分解が容易に進行し,目的とするアルドールが2段階で96%の収率で得られます。他にもアセタールやエステルへの変換などが容易に進行するので,NMR,HPLC,GC分析前にサンプルの官能基変換する際に極めて有効です。
 なお,1のリチオ体はパラ位特異的に求核置換反応を受けることから更なる機能化が可能です。例えば,パラ位に1H,1H-ペルフルオロテトラデシルオキシ基を導入しフルオラス性を高めることにより,フルオラスなスーパーブレンステッド酸触媒1aとして利用することができます1c)。ベンズアルデヒドのアセタール化反応において,加熱還流状態で1aはシクロヘキサンに溶解しており,触媒として機能します。反応後,室温に戻すと1aは沈殿し,回収,再利用することができます。このように1aを均一触媒として用いれば1aは固体触媒2よりも活性が高く,しかも1aを固体として回収できるという利点を持っています。また,触媒の回収・再利用にフルオラスな溶媒を全く必要としないという利点も持っています。
 さらに,1とアリルトリメチルシランから合成される[C6F5CTf2]SiMe3 (1b)は,スーパールイス酸触媒としてトリメチルヒドロキノンとイソフィトールの位置選択的縮合反応に用いられています1d)1の酸性度をTfOH及びTf2NHと比較すると,TfOH > Tf2NH > 1となりますが,そのトリメチルシリルルイス酸として酸性度を比較すると,1b > Tf2NSiMe3 > TfOSiMe3となります。1の共役塩基を嵩高いカウンターアニオンとする利用法が今後期待されます。

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