2022年のノーベル化学賞は、Carolyn R. Bertozzi先生、Morten Meldal先生、K. Barry Sharpless先生の3名が「クリックケミストリーと生体直交化学の開発」で共同受賞しました。
TCIはクリックケミストリーと生体直交化学のための製品を数多く提供しています。今回のニュースレターでは、不斉触媒に関連するTCIのパンフレットや記事をご紹介します。
- 連結試薬/クリックケミストリー
- クリック反応を促進する配位子
- 銅フリーで進行するクリック反応リンカー
- TCIクリックケミストリー関連記事

連結試薬/クリックケミストリー
クリックケミストリー(Click Chemistry)とは、比較的シンプルな構造の化合物同士を高い反応性と選択性で炭素-ヘテロ原子結合反応により新たな機能性分子を合成する手法であり、2001年にスクリプス研究所のK. B. Sharplessによって提唱されました。この“クリック”という言葉は、あたかもシートベルトのバックルがカチッと音を立ててつながるように2つの分子が簡単につながることに由来します。一般にクリックケミストリーの定義として以下のことが要求されます。- 目的の生成物を高収率で与える。
- シンプルな構造を持つ分子同士を組み合わせる。
- 副生成物をほとんど生じない。
- 実験操作が簡便で、カラムクロマトグラフィーなどの精製操作を必要としない。
- 水中でも反応が進行する。

クリック反応を促進する配位子
銅(I)触媒を用いたアルキン-アジド付加環化反応(CuAAC)は、エチニル基およびアジド基が生体プロセスに干渉しない「生体直交性」を有していることから、いわゆる「クリック反応」の代表例として研究されています。しかしながら、銅(I)イオンは酸化や不均化を受けやすく、細胞毒性も示すことから、 CuAACの生体内での使用が限られてきました。Sharpless、 Fokinらは、分子内に第三級アミン部位とトリアジン部位を有している配位子が、銅(I)イオンを安定化させ、クリック反応を促進することを明らかにしました。その後、水溶性の配位子が開発され、細胞表面や細胞内においても、細胞毒性を示さない低濃度触媒量でCuAACを進行させることが可能になりました。
銅フリーで進行するクリック反応リンカー
一般にHuisgen環化は、触媒として高濃度の銅(I)種を必要とします。銅塩を用いたクリック反応は、銅塩が生成する活性酸素の毒性のため、生体内への応用が制限されます。そのため、銅塩を一切用いない高度なクリック反応の開発が検討されてきました。2004年、C. R. Bertozziらは、歪んだ構造を持つシクロオクチル基を反応剤とした銅を用いないクリック反応を報告しました。これらのシクロオクチル化合物はアルキン誘導体であり、主に二次の反応速度定数と脂溶性(log P)の2つの化学特性を改善し、代謝系を解明するための分子ツールとして広く利用されています。例えば、DBCOリンカーやBCNリンカーは低い脂溶性と高い反応速度を有しているため、バイオロジー研究における銅を用いないクリック反応に適しています。

TCIクリックケミストリー関連記事
TCIでは、製品ラインナップの中から特定の製品に焦点を当て、製品の特徴や使用方法を紹介する記事を多数掲載しています。以下は、クリックケミストリー関連の記事です。
- 生体直交型クリック反応に用いられる水溶性配位子
- クリックケミストリー反応の配位子
- 銅フリーでアジド基とクリック反応するバイオコンジュゲートリンカー
- クリック反応が可能な修飾HSA
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