TCIニュース：化学

2023年4月

「TCIニュース」は、試験・研究用試薬をお使いの皆さまに、新製品情報やその他、お役立ち情報をお届けします。

今号は、以下の情報などのご紹介です。

還元的クロス求電子剤カップリング(CEC)用配位子

近年C(sp²)-C(sp³)クロスカップリング反応が精力的に研究されています。この反応は、芳香環へのアルキル基の導入を可能にします。その中でも特に、アリールハライドとアルキルハライドまたはレドックスアクティブなアルキルカルボン酸等とのクロスカップリング反応は、還元的クロス求電子剤カップリング (Recuctive Cross-Electrophile Coupling, CEC)として知られています。TCIでは、還元的クロス求電子剤カップリング用の配位子5製品 (製品コード：[P3015]、[D6070]、[P2176]、[C3801]、[C3803])をご用意しました。これらの配位子は、ニッケル触媒と金属粉末（例えば、亜鉛等）を還元剤とする還元的クロス求電子剤カップリングに利用できます。性質や構造が異なる5種類のカルボキシイミドアミド型配位子をご用意しましたので、目的の反応基質に合わせた触媒系のスクリーニングにもお役立てください。

詳細はこちら

TCI反応実例：DASTによるアルコールのフッ素化

DAST [D1868] をデオキソフルオロ化剤として用いた、4-ニトロベンジルアルコールの脱酸素的フッ素化反応をご紹介します。
その他のフッ素化試薬はTCI製品カタログよりご覧いただけます。

詳細はこちら

TCI反応実例：イリジウム触媒を用いたHartwig-宮浦C-Hホウ素化反応

[Ir(cod)OMe]₂ [C2662]を触媒として用いた、ビス(ピナコラト)ジボロンによるベンゾジチオフェンのC-Hホウ素化反応をご紹介します。電子供与性のbpy配位子と組み合わせることで芳香族化合物の直接ホウ素化反応が進行します。

詳細はこちら

ヘテロアリールクロリドの鈴木-宮浦カップリングを触媒するパラジウム錯体

Pd(Amphos)₂Cl₂ [B6255]は空気中で安定な二価パラジウム錯体であり、鈴木-宮浦カップリングの触媒として使用されています。嵩高いホスフィンを配位子としているため、潜在的に触媒毒となりうるヘテロアリールクロリドやチオール基・アミノ基・アルコキシ基を含む基質を用いた反応においても活性を失うことなく、高い触媒回転数(TON)を示します。

詳細はこちら